主なポイント
- 機関投資家トレーダーがDeribitを通じて17.4億ドル相当のBitcoinオプションを展開、12月26日までに10万～11.2万ドルの利益ゾーンを狙う。
- 12月満期で4つのストライクが支配的となり、オープンインタレストで55,000 BTCを記録、Coinglassデータでトップポジションにランクイン。
- この取引は市場の63%がコール優勢という状況と一致するが、利益下限に到達するにはBitcoinが87,000ドルから15%上昇する必要がある。
機関投資家トレーダーが11月24日、Paradigm経由でDeribitにて20,000 BTC（87,000ドル、24時間ボラティリティ：0.1%、時価総額：1.74兆ドル、24時間取引高：715.8億ドル、総額17.4億ドル相当）の大規模オプションポジションを実行しました。
これは今年見られた中で最大級の単一オプション取引の一つです。この取引はコールコンドル構造を用いており、特定の価格帯にBitcoinが収まることで利益が出る複雑なオプション戦略です。ストライク価格は100,000ドル、106,000ドル、112,000ドル、118,000ドルで、すべて2025年12月26日に満期を迎えます。
Deribitの公式分析によると、このポジショニングはBitcoinが100,000～118,000ドルのゾーンに到達するという強気な期待を反映していますが、その範囲を大きく超えることはないと見込んでいます。
最大利益は、BTCが満期時に106,000～112,000ドルの間に収まった場合に発生します。
本日Paradigm経由でDeribitにて3つの巨大ブロックが成立、合計20,000 BTCの名目額！
トレーダーは2025年12月満期の100k/106k/112k/118kコールコンドルを組成。シグナルは明確：構造化された強気の見方－BTCが100～118kゾーンに到達し、それを大きく超えないと予想。
取引内容: BTC 26… pic.twitter.com/zSyFgNs7dt
— Deribit (@DeribitOfficial) 2025年11月24日
クジラ取引が12月満期構造を支配
市場への影響は大きいです。クジラの4つのストライクが現在、12月26日満期構造を支配しており、オープンインタレスト（未決済契約数）でトップ4ポジションにランクインしています。
Coinglassデータによると、100,000ドルのストライクが15,517 BTCでトップ、続いて112,000ドル（14,062 BTC）、106,000ドル（13,090 BTC）、118,000ドル（13,066 BTC）となっています。これらのストライクを合わせると、オープンインタレストは55,000 BTCを超えます。
このポジショニングは市場全体のセンチメントと一致しており、プット（価格下落への賭け）よりもコール（価格上昇への賭け）が優勢です。
現在、Bitcoinオプションではコール優勢が63%となっており、コールが375,267 BTC、プットが218,000 BTCです。このクジラ取引は、BTCオプション全体のオープンインタレストの約3.4%を占めています。
年末ラリーには現状から15%の上昇が必要
この取引は、満期時にBitcoinが100,000～118,000ドルの間に収まった場合のみ利益が出ます。100,000ドル未満または118,000ドル超の場合、損失は支払った初期プレミアムで上限が決まっています。この構造は、無制限の上昇余地を犠牲にし、リスクを限定しています。
現在Bitcoinは約87,000ドルで取引されており、利益下限の100,000ドルに到達するには約15%の上昇が必要です。
12月26日満期まで残り約1ヶ月となっており、年末に向けた短期的な値動きに集中したベットとなっています。
