Bitcoin、Ethereum、Solanaの上場投資信託(ETF)は、12月26日を境に劇的な変化を見せており、これは暗号資産市場における機関投資家のセンチメントを動かす力を非常に明確に示しています。
LookOnChainの最新データによると、BitcoinおよびEthereumのETFは週間で大規模な流出を記録し、一方SolanaのETFは一貫して資金流入を見せています。この違いは、年末が近づく中で投資家の志向が進化していることを浮き彫りにしています。
Bitcoin ETFは引き続き週間でプレッシャーを受ける
過去7日間、特に12月末にかけて小規模な資金引き出しが続いたことで、投資家のBitcoin ETFへの警戒感が急激に高まっています。
合計で、Bitcoin ETFの日次純流出は309 BTC(約2,690万ドル)となりました。過去7日間の純流出は7,015 BTC、約6億1,043万ドルに相当します。
一方で、Bitcoin ETFの総流出額は1,300,790 BTC、約1,131.9億ドルに上ります。これは、一部投資家のエクスポージャーが減少したにもかかわらず、機関投資家間では依然として高い保有水準が維持されていることを示しています。
BlackRockのIBITは引き続きBitcoin ETFの中で772,584 BTCを管理しておりリーダー的存在です。同ファンドは日次で流入・流出はありませんでしたが、週次では4.742 BTCの流出が記録されました。Grayscaleのプロダクトは214,516 BTCを保有し、週次で775 BTCの流出となっています。
FidelityのFBTCは日次で196 BTC、週次で240 BTCの流出が報告されています。BitwiseやARK 21Sharesなどの他のファンドも毎週安定した流出を記録しています。
Ethereum ETFは日次では横ばいも、週間では弱含み傾向
Ethereum ETFも同様の傾向を示しており、日次の比較的落ち着いた動きが週間でも同様の静けさを反映しています。
12月26日、Ethereum ETFは純流入・流出ともにゼロでした。しかし、過去7日間の総流出額は34,679 ETH、約1億60万ドルに相当します。
現在、Ethereum ETFの総保有量は6,079,918 ETH、約176.4億ドルと推定されています。ETH BlackRockは3,486,575 ETHで最大の保有量を持ちますが、この量も週次で41,415 ETFの流出が続いています。
GrayscaleのEthereum ETFは週次で13,360 ETHの流入を記録しており、他の多くのファンドが低調な動きを見せている中で目立った動きとなりました。日次・週次ともにFidelity(FETH)は変化なく、安定したポジションを維持しています。
これらの混在した資金フローは、Ethereum投資家が資産クラスを完全に放棄するのではなく、ファンド間で資金を選択的に移動していることを示しています。
Solana ETFが最も注目を集める
BitcoinやEthereumとは異なり、Solana ETFは強いプラスの兆候を示しました。
日次での資金フローは横ばいでしたが、Solana ETFは7日間で169,556 SOL(約2,069万ドル)という顕著な純流入を記録しました。現在の保有枚数は7,813,822 SOL、約9億5,329万ドル相当です。
複数の大手発行体が週間での増加に寄与しました。
- BitwiseのBSOLは32,408 SOLを追加
- GrayscaleのGSOLは34,185 SOLの流入を記録
- FidelityのFSOLは週次で76,872 SOLの最大流入
- VanEckのVSOLは26,092 SOLを獲得
これらの流入は、特にBitcoinやEthereum以外の成長資産を求める投資家の間で、Solanaエコシステムへの信頼感が高まっていることを示しています。
分岐するETFフローが市場に示す意味
BitcoinおよびEthereum ETFからの資金流出とSolana ETFへの流入は、機関投資家による戦略の転換の可能性を示唆しています。
暗号資産から資本を完全に引き揚げるのではなく、より直近での勢いまたはエコシステムの発展が期待される資産に資本をシフトしているようです。Solanaの最近のネットワーク活動およびそのユースケースの広がりが、これらの決定の背景にある可能性があります。
今後の市場については、この傾向が暗号ETFのさらなる分散化とBitcoinやEthereumへの依存度低下を促進するかもしれません。Solanaが安定的な流入を受け続ければ、周辺的な資産から機関投資家向けの有力資産へと成長する可能性があります。
一方で、BitcoinとEthereumのETF保有が依然として多いことは、長期的な展望に対する信頼が維持されていることを意味します。これは悲観的な見通しではなく、短期的な流出はポートフォリオのリバランスや年末調整、リスク管理によって緩和できるでしょう。
2026年においても、ETFフローは機関投資家のセンチメントを示す重要な指標であり続けます。Solanaの活発な動きが続くのか、それとも資本が再びBitcoinやEthereumに戻るのかが、暗号資産市場の今後の方向性を大きく左右することになるでしょう。

