利下げの方向性が急変！bitcoinはすでに底を打ったのか？

数週間の低迷を経て、bitcoinは11月26日に力強い反発を見せ、価格は90,000ドルの大台を突破し、火曜日の下落分を一気に取り戻しました。今回の上昇は感謝祭前の市場慣例を打ち破っただけでなく、その背後にはマクロ経済の期待、資金の回帰、市場構造の改善という三重の好材料が作用しています。

マクロ経済データが市場の信頼感を後押し

米国の最新雇用統計によると、新規失業保険申請件数は216,000人に減少し、4月中旬以来の最低水準となり、投資家の信頼感を大きく高めました。PPIレポートではエネルギーと食品コストの上昇により卸売価格が小幅に上昇したものの、コアPPIの上昇率（2.6%）は2024年7月以来最小となりました。アナリストは、このレポートが米連邦準備制度理事会（FRB）に12月の利下げを再考させる可能性があると見ています。

レポート発表後、JPMorganのエコノミストは予測を緊急修正し、FRBが12月に利下げを開始するとし、1週間前に出した「政策決定者は来年1月まで利下げを延期する」との見解を覆しました。同社のリサーチチームは、FRBの複数の重鎮（特にニューヨーク連邦準備銀行のウィリアムズ総裁）が最近の利下げ支持を表明したことが、情勢再評価のきっかけになったと述べています。

JPMorganは現在、FRBが12月と来年1月にそれぞれ25ベーシスポイントの利下げを行うと予想しています。

マクロ経済の好材料を受け、bitcoinの価格は当日約4%上昇し90,000ドルを突破。Ethereum（ETH）は2%上昇し3,025ドルとなりました。XRP、Solana（SOL）、BNBなど主要なアルトコインも軒並み上昇。暗号資産市場全体の時価総額は3.08兆ドルに達し、24時間で約3%反発、取引高は1,390億ドルに。bitcoinの時価総額シェアは56.5%に回復し、Ethereumは11.5%となりました。

資金フローが逆転、ETFが再び資金を吸引

ETFへの資金流入が顕著に改善しています。

以前は市場が深刻な資金流出圧力に直面し、歴史的記録を更新するほどでした。しかし水曜日のデータによると、bitcoin ETFは約1億2,900万ドルを集め、Ethereum ETFは7,800万ドル超、Solana（SOL）ETFは5,300万ドル、XRP ETFも3,500万ドルの流入がありました。マクロ経済の信頼感を背景に、機関投資家の資金が再び暗号資産市場に再配分されています。

Coinglassのデータによれば、過去24時間で暗号資産市場全体の清算額は2億7,300万ドルを超え、そのうちショートポジションが主導（1億9,700万ドル）、bitcoinは8,600万ドルの清算額でトップ、EthereumとHYPEがそれに続きました。

底打ちの兆候が徐々に現れる？

CryptoQuantのアナリストAbramchartは、市場がちょうど「レバレッジの洗浄」を完了したばかりだと指摘しています。未決済建玉総額は450億ドルから280億ドルへと急減し、今サイクルで最大の減少幅となりました。これは弱気相場のシグナルではなく、むしろ市場の大規模な新陳代謝であり、過度に膨張した投機的ポジションを一掃し、今後の上昇に向けてより健全な勢いを蓄えたといえます。

また、激しい変動を経てもBTCは依然としてETFの平均コスト価格である79,000ドルを上回っており、大口機関資金による極端な売却は見られません。これは市場にとって重要な心理的・資金的な支えとなっています。

最近市場が注目するいくつかの指標を総合すると、より深い構造的変化が見て取れます：

Puell Multipleがサイクル底値に接近

オンチェーンアナリストのAliは、Puell Multiple指標が現在0.67であり、歴史的なサイクル底値の重要閾値0.50はまだ下回っていないものの、非常に近いと指摘しています。

Puell Multipleはオンチェーン分析指標で、David Puellによって作成され、bitcoinマイナーの収益性と市場への影響を評価するものです。計算式は「Puell Multiple =（毎日新規発行されるbitcoinのドル価値）/（過去365日間の毎日新規発行bitcoinのドル価値の移動平均）」です。

簡単に言えば、これはマイナーの現在の売却圧力（または彼らが現在1日あたり得ているbitcoinの価値）を過去1年の平均と比較するものです。

歴史的データによると、2015年以降、この指標が0.50を下回るとbitcoinサイクルの底値を示唆することが多いです。これはマイナーの売却圧力が軽減されつつあり、市場が重要な観察ウィンドウに入り、中期的な底値到来を示唆している可能性があります。

テクニカル面もポジティブに転換

テクニカルアナリストのSkew Δは、4時間足チャートでbitcoinが現在ブル派に有利なテクニカル構造を示しており、複数のモメンタムおよびトレンド指標（50EMA、RSI、Stoch RSI）がいずれもポジティブであると指摘しています。

88,000ドルがブル派の生命線であり、90,000ドルから92,000ドルが市場がより強い構造的上昇トレンドに入れるかどうかを確認するための重要なレジスタンス／争奪エリアとなります。トレーダーはこれらの重要水準付近での価格動向に注視すべきです。

リスクと展望

短期的なセンチメントは改善したものの、感謝祭期間中の流動性不足がボラティリティを拡大させる可能性があります。WintermuteのトレーディングストラテジストJasper De Maereは、オプション市場の動向から、トレーダーの多くがbitcoinが85,000～90,000ドルのレンジで推移すると予想し、現状維持を見込むポジションが多いと指摘しています。

中長期的には、74,000ドルが注目すべき水準です。bitcoinの週足終値がこの水準を下回ると、市場はより大きな調整局面に直面する可能性があります。現在bitcoinは126,000ドルの史上最高値から約30%下落しており、今回の反発が本当に持続的な上昇トレンドに転換できるかどうかは、最終的にはマクロ政策と資金フローが継続的かつ強力なサポートを提供できるかにかかっています。

著者：Seed.eth