ブリティッシュコロンビア州、電力需要の急増を受けて新たな暗号資産マイニング接続を恒久的に禁止

クイックブレイクダウン 

• ブリティッシュコロンビア州は2025年秋から新たな暗号資産マイニングの電力網接続を恒久的に禁止します。
• 政府は、電力需要の急増と暗号資産マイニングによる経済的利益の限定性を理由に挙げています。
• AIおよびデータセンターは引き続き支援を受けますが、電力割当には上限が設けられます。

 

ブリティッシュコロンビア州、暗号資産マイニング拡大に終止符

ブリティッシュコロンビア州（BC）政府は、従来型および新興産業の「前例のない電力需要」を理由に、州の水力発電網への新たな暗号資産マイニング接続を恒久的に禁止すると発表しました。

Hydro power center in British Columbia. Source: British Columbia Government

州政府は月曜日の声明で、州営電力会社BC Hydroがエネルギー分配を調整しつつ経済成長を促進できるようにする新たな法案を明らかにしました。この規制は2025年秋に施行される予定です。

新法案、AIおよびデータセンター向けのクリーンエネルギーを優先

声明によると、BC Hydroは今後、データセンターや人工知能（AI）プロジェクトへの電力割当を制限する権限を持つ一方、暗号資産マイニングの新規電力網接続は完全に制限されます。

「従来型および新興産業から前例のない需要が見られます」とBC Hydroの社長兼CEO、Charlotte Mitha氏は述べています。「州の戦略は、BC Hydroがこの成長を責任を持って管理し、電力網の信頼性を維持し、クリーンで手頃なエネルギーの未来を守ることを可能にします。」

BC Hydroは、BC州の人口の95%以上、約500万人に電力を供給しており、今後は地域により大きな経済的・社会的利益をもたらす産業を優先する方針です。

業界の反発にもかかわらず、暗号資産マイニングはエネルギー消費で批判

政府はAIやデータセンターの可能性を称賛する一方で、暗号資産マイニングについては「過度なエネルギー消費と経済的利益の限定性」を批判しました。

しかし、暗号資産マイニングの支持者はこれらの見解に引き続き異議を唱えています。Bitcoin環境活動家のDaniel Batten氏や他のアナリストは、マイニングが責任を持って統合されれば再生可能エネルギーの導入や電力網の安定化に寄与できると主張しています。

一時停止から全面禁止へ

ブリティッシュコロンビア州の今回の動きは、2022年12月に導入された新規暗号資産マイニング電力網接続の18か月間の一時停止措置に続くものです。この一時停止は、政策立案者がエネルギー使用、経済成果、環境目標のバランスを取る枠組みを策定するための時間を確保する目的でした。

しかし、この一時的な措置は現在、恒久的な禁止へと発展し、州内での暗号資産マイニング拡大に対する強い姿勢を示しています。

この政策が、BitfarmsやIrenなど、ブリティッシュコロンビア州内でBitcoinマイニングやAIデータ施設を運営する大手企業の既存事業にどのような影響を与えるかは、依然として不明です。